リノベーションで大切な断熱性について
特に築年数が経過した家屋をリノベーションする場合は、間取りやデザインだけでなく、断熱性を高めることが勧められています。
日本の家屋は、風通しを重視していたため、断熱性に関する基準が明確にされたのが、昭和55年でした。
断熱性能の基準は順次強化されてきましたが、いまだに4割の家屋が無断熱となっているようです。
十分な断熱性が確保されていないことが原因で、暑さ寒さを十分に防ぐことができないだけでなく、結露やカビが発生して健康が害されたり、建物の劣化につながったりします。
リノベーションをする際には、主に床や天井、壁や窓を中心に施工すると断熱性を効果的に上げることができます。
まず床に断熱性を持たせるためには、床下から断熱材を施工する方法と、床を一旦はがして吹き付けタイプの断熱材を充てんする方法があります。
次に、天井への施工ではグラスウールなどの繊維素材の断熱材を敷き詰めたり、セルロースファイバーと呼ばれる天然の木質繊維の断熱材を吹き込んだりします。
なお、セルロースファイバーはグラスウールに比べて価格が高い傾向にあります。
ですが、セルロースファイバーは隙間なく断熱材を入れることができるので、高い断熱性を実現できるとともに、柱や金属製の配管などを保護するのにも役立ちます。
壁の断熱性を高めるには、壁をはがして柱と柱の間に断熱材を配置したり、外壁にボード型の断熱材をつけたりすることができます。
そして、断熱性を考えるうえで窓部分は重要です。窓は家のパーツの中で最も熱の出入りがある部分だからです。例えば、ガラスを二重にしたり、二重サッシにしたり、サッシ自体を高機能のものに変更することができるでしょう。
加えて、既存のサッシにインナーサッシと呼ばれる内窓を取り付ける方法は、ガラスやサッシを取り換えるよりも安価なため人気となっています。
このようにして断熱性を確保すると、床暖房などを設置しなくても良い場合も多く、また夏であっても、家全体の空調をエアコン1台で済ませることが可能になるケースが少なくありません。